大地を拓く

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あらすじ

【内容紹介】
 私たちの暮らす日本列島は、山の多い地形,複雑な地質,気象などの自然的条件から,洪水,土砂災害,地震,津波,火山噴火などによる災害を歴史的に被ってきた。
 本書は、先人たちがいかにそうした災禍を乗りこえてきたのかを、古代から中世、近世、近代までたどりながら、日本の大地を拓いてきた人たちの苦悩、情熱、技術を丹念に解きあかしていく。そこから私たちにとって「土木」とは、「利他の心」とは何かを問いかけ、それらが人や地域に尽くした効果や、自然に与えた影響をはじめ後世に生かす教訓がうかがい知れるだろう。

【著者紹介】
緒方英樹(おがた ひでき)
宮崎県生まれ。
弘前大学大学院博士課程修了。博士(学術)。理工図書(株)勤務。
 「土木の絵本」全5巻シリーズの執筆、アニメ映画「パッテンライ!南の島の水ものがたり」(虫プロダクション)の企画・原作など、国づくりの歴史を若年層から大人までわかりやすく伝える活動をおこなっている。
 最近の活動では「土木偉人かるた」(土木学会)の監修。毎日新聞オンライン連載、中央ラジオ「ドボクのラジオ」出演など行っている。
 土木学会では、土木広報センター土木リテラシー促進グループ、土木史委員会副委員長、土木史広報小委員委員長を務める。著書に「身近に楽しむ・学ぶ・語り継ぐ ふるさとの歴史資産」(オーム社)、「人物で知る日本の国土史」(オーム社)など。

【目次】
序章 日本の風土と土木

1章 古代に見る「土木の原点」
 1-1 渡来人からの系譜
 1-2 行基から重源、空海への道
 1-3 空海からの道 平清盛の土木

2章 変革時代の戦国武将
 2-1 自然と共に生きる
 2-2 戦国時代の城づくり
 2-3 暴れ川に挑んだ戦国武将
 2-4 異国人のみた信長と光秀の普請
 2-5 戦わずに勝つ・豊臣秀吉と黒田官兵衛

3章 江戸時代、大地を拓いたパイオニアたち
 3-1 江戸のプランナー・徳川家康
 3-2 その後の戦国武将たち
 3-3 木曽三川と宝暦治水
 3-4 千載不朽の土木家・野中兼山
 3-5 国づくりは、人づくりから
 3-6 人々の幸せづくり
 3-7 民衆のため大地を拓いた義人たち
 3-8 大地を拓いた新渡戸家一族の夢と継承
 3-9 大地震津波との遭遇

4章 近代化への道
 4-1 江戸から明治へ
 4-2 日本の鉄道ことはじめ
 4-3 市民の精神的福祉を向上させるエンジニア教育
 4-4 日本とオランダの親密な関係
 4-5 海外留学の草創期
 4-6 廣井山脈 飛び立ったパイオニアたち

5章 人類のための土木
 5-1 海外技術協力の先駆けとなった久保田豊
 5-2 水路と鉄路を拓いた田辺朔郎
 5-3 立山砂防の価値とは何か
 5-4 農業土木と上野英三

6章 理想都市建設へのまなざし
 6-1 後藤新平・復興への道
 6-2 産業の近代化と渋沢栄一

追悼 人は、土木は、自然といかに向き合ってきたか
 ―日本国際賞受賞者 河川工学者 高橋 裕氏に聞く―

あとがき