夏のヴィラ
ペク・スリン(著)/カン・バンファ(訳) 1,760円
あらすじ
過去と現在が交差し、一瞬煌めいて消える――
韓国で五つの賞に輝いた珠玉の短編集
いまやペク・スリンの小説は、母語と母国、母性の世界の不均質にまで手を伸ばす。普段は見られない母親の美しさに怯えて泣き出す子どものように、私もまたその過程にすっかり魅了された者のひとりだ。
――キム・グミ(小説家)『あまりにも真昼の恋愛』著者
「黒糖キャンディー」(『私のおばあちゃんへ』)『惨憺たる光』に続くペク・スリン、待望の最新作
【目次】
時間の軌跡
夏のヴィラ
ひそやかな事件
大雪
まだ家には帰らない
ブラウンシュガー・キャンディ
ほんのわずかな合間に
アカシアの林、初めてのキス
著者あとがき
訳者あとがき
【著者】
ペク・スリン
1982年仁川生まれ。短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年文学村若き作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『フォーリング・イン・ポール』『惨憺たる光』(書肆侃侃房刊)『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』などがある。
カン・バンファ
岡山県倉敷市生まれ。高麗大学文芸創作科博士課程修了。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にチョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、ピョン・ヘヨン『ホール』がある。