北町の爺様2

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あらすじ

どえらい大物が浮上!
幕閣の誰も手が出せぬ中野播麿守なかのはりまのかみの黒い企み。

目付遠山景晋とおやまかげくにの失脚を策し息子金四郎きんしろうに刀を抜かせよ。悪しき策謀を阻止せんと、八森十蔵やもりじじゆうぞうと和田壮平わだそうへいは……。
更に二人を待つ未曾有みぞうの謎。

小納戸頭取こなんどとうどりの中野播麿守清茂なかのはりまのかみきよしげは当年四十七。当代の将軍である徳川家斉いえなりの側近中の側近である。家斉には清芝の他に二人、格別に目を掛ける寵臣が存在した。水野出羽守忠成みずのでわのかみただあきらと林出羽守忠英ただふさだ。当年五十の忠英は若年寄、清茂と同じ年の忠英は御側御用取次を務めている。病身の小知恵伊豆の後釜は二人の出羽守のどちらかに違いないと、商人たちは盛んに言っているとか……。