愛しいあなた
あらすじ
『父の初七日』監督脚本のエッセイ・リウ。映画の原作エッセイがベストセラーとなった著者の初短編小説集。
何を書くか、どうコラージュするのか、その細かな取捨選択に宿る煌めき。
読みながら、自分が出会ってきたあらゆる愛しい人を思い浮かべたけれど、読み終える頃にはこの小説が、愛しいあなたになっていた。――金原ひとみ(小説家)
子供が欲しい。でもそれってホルモンのせい? でも、過ぎてしまえばそれでいいなんて私は思わない・・・「愛しいあなた」。私は年上の人しか好きになれないんです。父の秘密と私の恋・・・「失明」。台湾の現代女性の愛と痛みを衝動的に描いた短編小説集10編。
【目次】
愛しいあなた
プレゼント
ものにできない
マシューとクレア
わたしたち
失明
レーシック
日めくりカレンダー
上海・新・桃花源記
記憶喪失と失踪
著者あとがき
訳者あとがき
【著者】
劉梓潔
1980年、台湾・彰化県生まれ。小説家、脚本家、台湾・逢甲大学人文社会学院専任教授。国立台湾師範大学社会教育学系卒業。著作に長編小説『希望?也在這裡』、『外面的世界』、『真的』、短編小説集『自由遊戯』、『遇見』、エッセイ集『化城』、『父後七日』など。映像作品に台湾映画『痴情男子漢』(脚本)、『父後七日』(監督・脚本)、台湾ドラマ『滾石愛情故事』(脚本)、『徴婚啓事』(脚本)など。受賞歴に金馬奨最佳改編劇本賞、台北電影節最佳編劇賞、林栄三文学賞、聯合文学小説新人賞など多数。
明田川聡士
1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部専任講師。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画。著書に『戦後台湾の文学と歴史、社会』、『越境する中国文学』(共著)、『台湾研究新視界』(共著)など。翻訳に黄崇凱『冥王星より遠いところ』、李喬『藍彩霞の春』、李喬『曠野にひとり』(共訳)など。