大川周明「世界史」――『亜細亜・欧羅巴・日本』及び『近世欧羅巴植民史』(抄)

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あらすじ

本書の著者、大川周明氏は東条元首相らとともにA級戦犯に指定され東京裁判に被告として臨んでいます。連合国は著者を日本思想界でもっとも影響力をもつ人物とみなし起訴しました。これだけでも著者がどれほど米英に恐れられていたかが推察できます。
さらに著者は国家改造の実践にも取り組み、五・一五事件ではクーデター首謀者として禁固5年の実刑判決を受け服役しました。この5年に及ぶ獄中生活中に書き上げたのが『近世欧羅巴植民史』です。その博覧強記に圧倒されつつ、通読すると著者が日米戦争の理論的リーダーと目された理由もうなずけます。
なお本書にはGHQが没収、発禁とした『大東亜秩序建設』(「大東亜秩序の歴史的根拠」「大東亜圏の内容及び範囲」「亜細亜・欧羅巴・日本」の3部構成)も収められています。

『日本二千六百年史』に連なる壮大な歴史書、ぜひご一読ください。