水と茶

購入した作品の読み方

あらすじ

とにかく、作者が楽しそうであり、俳句を通じて人生を面白そうに眺めている――岸本尚毅
秋や手に文鳥の来てすこしにぎる

第八回石田波郷新人賞受賞の著者、待望の第一句集。

二〇一四年から二〇二二年までの二五六句を収録。


〈収録句より〉

セーターにあやしき柄のありにけり

妹の駒はみづいろ絵双六

夕東風へ黒板消しを打ち合はす

紫陽花や銀の器に歯の軽さ

うつむきて夏着の縞を数へゐし

船遊び手を振れば手は風を受く

やすめればからだよくなる九月かな

宴とほく月の廊下にすれ違ふ

紐引いて橇の散歩は木の間ゆく

この宿のシャンプーよろし雪あかるし