アインが見た、碧い空。 あなたの知らないベトナム技能実習生の物語

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あらすじ

小説×解説で、技能実習制度の本質がわかる。

──夢やぶれた技能実習生が、未来を取り戻す物語。

技能実習生として日本で働く道を選んだアインは、単純労働の繰り返しの果てに、ひとつの事実に気づく。彼女の将来の可能性は、もうどうしようもないほどに行き詰まってしまっていた。

実習生の挫折と再起を描く「小説」と、元・実習生の再教育に取り組む著者による「解説」が、技能実習制度の本質を明らかにする。制度の真の問題点「キャリアの搾取」と、それが日本社会に残す負の遺産とは何か。そして、日本とアジアの豊かな未来を実現するためには、いったい何が必要なのか。

【目次】
はじめに
主な登場人物

第1部 碧い空の上。
解説I アインの決断──ベトナム技能実習生
解説II 技能実習制度──「現実」の歪み
解説III 「問い」から見えるもの
解説IV 呪縛

第2部 碧い空の中。
解説V 行政書士と在留資格制度
解説VI 「ベトナム人犯罪」
解説VII 評価されるキャリア
解説VIII 技能実習制度の歪み、その正体。あるいは、文化資本のギャンブル的変容。

第3部 碧い空の下。
解説IX 在留資格制度における〈実務経験〉と〈上陸拒否期間〉
解説X 評価されるキャリアと日本の実像
解説? 日本の「簿外債務」=負の社会関係資本

エピローグ アインが見た、碧い空。
あとがき

【著者】
近藤秀将
特定行政書士、社会学者、小説家。ベトナム国立フエ科学大学特任教授、立教大学平和・コミュニティ研究機構特任研究員。1978年生まれ。早稲田大学教育学部を経て、M.A. in Sociology(立教大学)、現在東北大学大学院教育学研究科博士課程後期課程に在籍。2012年に「行政書士法人KIS近藤法務事務所」を設立、中国・モンゴルをはじめとしたアジア圏の専門家として、イミグレーション法務等を中心に幅広く活動している。著書に『外国人雇用の実務』(中央経済社)ほか多数。