出来事
吉村萬壱(著) 1,870円
あらすじ
仮想と現実、脳内と世界を巡回する圧倒的な言葉の力(富岡幸一郎)
きれいごとを吹き飛ばす圧倒的描写力によって日常世界がめくれあがる。見慣れたはずの外界が何かおかしい。人間の嘘がべろりと浮かび上がる。人間とは何ものか。一見そうは思えないが本書は脳と文明の虚妄(でっちあげ)をあばく恐るべき哲学小説である。
【目次】
偽物
汚涜
化け物
おみやげろ
宇宙温泉
チク
文脈
感染
異変
ホンモノの波
レナの記憶
紙世界
了解と再適応
【著者】
吉村萬壱
吉村萬壱(よしむら・まんいち)
1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪で育つ。
京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務める。
2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。
2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞受賞。
近著に『流卵』『CF』など。著書多数。