笑顔のつぎ木 東京藝大・クローン文化財

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あらすじ

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失われた文化財を、超精細再現する技術と意義を紹介

古くより伝承されてきた伝統的な模写の技術と、現代のデジタル撮影技術や2D・3Dデジタル技術を融合させ、流出・消失した世界中の文化財を復元する、これまでにない高精細な複製は「クローン文化財」と名づけられた。

クローン文化財作成にあたり、オリジナルの詳細な調査を行い、デジタル技術とアナログ技術の双方を駆使する。絵具や基底材などの成分、表面の凹凸、筆のタッチまでを忠実に再現するべく、東京藝術大学COI拠点によって開発が進められている。

【掲載クローン文化財例】
・アフガニスタン|ゼウス神像、バーミヤン東大仏・天井壁画
・ウズベキスタン|アフラシアブ遺跡
・北朝鮮|高句麗古墳江西大墓
・中国|敦煌莫高窟
・フランス|オルセー美術館絵画
・ミャンマー|グービャウッヂー寺院
・日本|法隆寺金堂釈迦三尊像・金堂壁画、浮世絵、横山大観絵画、雪村絵画

このまさしく「文化財のクローン」と呼べる技術は、例えば、植民地支配時に収奪された文化財の返還問題に寄与することができる。文化財という世界共有の財産を守り伝える新技術として、本書では、文化の共有と継承、平和の実現を目指す「クローン文化財」の意義を、その制作・展示の過程とともに紹介する。