名人宣言
越智多藁惠 1,870円
あらすじ
2012年5月に快楽亭ブラックは還暦を迎える
大須演芸場(名古屋)で還暦記念24時間落語会を敢行!
著者は落語家を目指す若者たちを取材した本を出版したことがある。しかし落語界の反応は「本当」のことを書くといろいろな人がいろいろなことを言うというものだった。ある芸能事務所のエライ人からはもう仕事をしないと脅された。「落語界のことを書くのはもうよそう」と思った。でも落語が好きで落語会には出かけた。そしてどうしても書きたい落語家に出逢った。それがブラックだった。彼はじつに楽しそうに噺をする。好きなのはこれだということがひしひしと伝わる。「落語界」は狭い村社会。返ってくるのは陰湿な批判ばかりだ。本を書く魅力をすっかり失っていた著者だったが書くことを決意した。落語家ブラックの魅力がそうさせたのだ。迷惑を省みず常にブラックに寄り添い、高座も楽屋ウラも見ることにした。還暦を迎えようとする全身落語家・快楽亭ブラックの本質に文化部記者が肉迫する。