イマジナシオン
toron*(著)/山田航(監修) 1,760円
あらすじ
いずれ夜に還る予約のようである生まれついての痣すみれ色
言葉で世界が変形する。
不思議な日常なのか、リアルな非日常なのか、
穏やかな刺激がどこまでも続いてゆく。
短歌が魔法だったことを思い出してしまう。
─山田航
【5首】
いずれ夜に還る予約のようである生まれついての痣すみれ色
花びらがひとつ車内に落ちていて誰を乗せたの始発のメトロ
手のひらの川をなぞれば思い出すきみと溺れたのはこのあたり
おふたり様ですかとピースで告げられてピースで返す、世界が好きだ
海の日の一万年後は海の日と未来を信じ続けるiPhone
【目次】
I
仮想上の観覧車
一生分の虹を見ていた
転生譚
この世の次の
II
カトラリーズ
雨過天晴
書物の灯
ありとあらゆるさよならに
III
わたしは街の細胞だった
くるぶしに桜
Sign
空を裁つ
IV
犬の眼線
V
はやぶさとひかり
夏の弧
冬の達人
群青
解説 比喩という「変身魔法」 山田航
あとがき
【著者】
toron*
大阪府豊中市出身。現在は大阪市在住。Twitterで短歌に出会い、2018年4月からウェブサイト「うたの日」に投稿をはじめる。新聞歌壇、雑誌などへの投稿をしつつ、現在は塔短歌会、短歌ユニットたんたん拍子、Orion所属。
山田航