紀行 いまだかえらず

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あらすじ

旅の途上にて出合う「碑」こそは、表現されるべき
短く堅固な「散文」にふさわしい形式と思われた。

スペイン巡礼路にサン・ロケ峠がある。
ひとりの巡礼がうしろ姿を見せて歩いている。ブロンズ像だ。
強い日差しを浴び、吹き上がる強い風に耐えて歩いている。
長旅にかなり疲れた様子だが、歩みを止めない。
依然として歩き続ける巡礼と著者がどういう「言葉」を交わしたか。
それを本書は明らかにしようとする。