日本古代国家と天皇の起源
林順治 2,420円
あらすじ
天皇家の二つの始祖神=アマテラスと八幡神。
その誕生や成り立ちは、実に大きく異なる!
『古事記』と『日本書紀』は、ほぼ同時期に藤原不比等によって
作られている。
始祖神・アマテラスも「記紀」編纂時に誕生したのであれば、
加羅系渡来集団の始祖崇神・垂仁が祭ったアマテルを自分の妻神(ヒメ神)
とした八幡神よりもっと「あとに」生れた神である。
藤原不比等は天武→持統(女性天皇)→文武→元明(女性天皇)
→元正(女性天皇)→聖武天皇→孝謙天皇(女性天皇)と
皇位継承の危機的状況が予想されるなか、
天皇家の始祖神をアマテル神でもなく、八幡神でもなく、
アマテラス神を「日本」という呼び名にふさわしいものとして作ったのである。
アマテラスが女神であるのはそのためである。
本書はアマテラスを祖とし神武を初代天皇とする万世一系天皇の物語「記紀」
を検証し、日本古代国家が、新旧二つの朝鮮半島から渡来した加羅系と百済系の
集団によって建国されたことを明らかにするものである。