潜行三千里 完全版

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あらすじ

『潜行三千里』は1950年夏に毎日新聞社から刊行されるやたちまち世間の話題をさらい、続々版を重ねたほか、海外でも注目を浴び、英・仏・中・豪・タイでも翻訳出版された戦後の大ベストセラーです。本書は、潜伏中に書かれ、ご遺族が72年間秘した未公開原稿を独占収録、装いを新たに「完全版」として再発刊したものです。
厳しい取り調べや警戒線突破、中国兵による連行など読者をハラハラドキドキさせる絶体絶命のピンチや、偽坊主や偽医者になりすましたために起こるハプニングなどの場面に、思わず笑ってしまうユーモアたっぷりのエピソードもちりばめられ、冒険談、戦記物としても読みごたえ抜群、しかも初公開原稿には「アメリカではなくソ連を討つべきであった」「陸海軍の功名争いはあさましい限り」と記されるなど、この時代を知る貴重な資料となっています。没後早や50年、著者にまつわる「作戦の神様」「軍事の天才」や「無責任」「大ぼら吹き」といった月旦評はひとまず脇に置いて、伝説のベストセラーをじっくり味わってみてはいかがでしょうか。