水上バス浅草行き

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あらすじ

【収録短歌より】
ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし
3、2、1、ぱちんで全部忘れるよって今のは説明だから泣くなよ
平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ
犬の名はむくといいますむくおいで 無垢は鯨の目をして笑う
教室じゃ地味で静かな山本の水切り石がまだ止まらない
愛だった もしも私が神ならばいますぐここを春に変えたい
星座にも干支にもならず土曜日のわたしの膝におさまった猫
間違えて犬の名で呼ぶ間違えて呼ばれたきみがわんと答える

【著者より】
浅草行きの水上バス。
どこかに急いで向かうための乗り物じゃない。
むしろ、乗らなくてもいい、そんな乗り物。
なくても、生きていけるもの。
でもそういう存在が、心に潤いや光を与えて、
わくわくさせてくれるのを知っている。
そんな歌集をつくっています。
著者:岡本真帆


【著者プロフィール】
岡本真帆(おかもと・まほ)
一九八九年生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身。