死だけが私の贈り物
小泉喜美子 880円
あらすじ
殺人捜査課の駆け出し刑事・山田は、新婚の妻の容態を聞くために病院の一室にいた。
「先生、はっきりおっしゃってください。死期がすぐに迫っているのだったら、ぐずぐずしているひまはないのです。わたしにはどうしてもすることがあるんです!」
アコーディオン・ドアの向こうで女の必死の声が漏れてきた。
山田刑事は見た、鮮やかな紫色の菫の造花に飾られた黒ずくめの、その女の姿を。
数日後、連続殺人が起きて……。
著者最後の長篇、待望の初文庫化。