日雇い浪人生活録(十一)金の徒労

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あらすじ

橋芸者の姿をした女お庭番・村垣伊勢は、新たな普請奉行・佐久間久太夫を材木商因幡屋が接待する座敷にいた。因幡屋の田沼意次への根回しで、佐久間は役を得たという。動いたのは金。材木商の思惑は、大がかりな普請への采配にあった。一方、両替商分銅屋仁左衛門とその用心棒・諫山左馬介は、田沼の屋敷を訪ねていた。話題は、水戸徳川家と会津松平家が金に窮する近況についてである。十万両といわれる分銅屋の財を利用しようと躍起の両家。家と禄を守りたい旗本、利のために目ざとく立ち回る者、ひたすら富を狙う者……それぞれどう動く!? 続々重版大人気シリーズ、第十一作。