アローナの嫁取り祭り【分冊版】 鍛冶屋と機織り娘

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あらすじ

砦を抱き、騎士が駐屯する国境の街・アローナの収穫祭は、「嫁取り祭り」ともいわれている。祭りの日に想いが通じ合った二人は、生涯仲睦まじく暮らせるという。アローナの宵祭りをめぐる市井の男女の恋の行方。

鍛冶屋のキースと機織り娘のリーリャは幼馴染。自宅兼仕事場も隣同士で小さいころからお互いに行き来をしている。両親を亡くして祖父に引き取られてきたキースを、リーリャの両親も我が子と分け隔てなく可愛がり、まるで兄妹のように育ってきた。ある時、近所のお姉さんから『スキなヒトとケッコンすれば、ずっと一緒にいられる』と聞き、『だいすきだからケッコンする』とお互いに誓い合った。それから十年。キースはすっかり無口で無愛想になってしまった。そんなキースに何かと世話を焼くリーリャ。あの約束をキースはいつ叶えてくれるのだろう? 今年も宵祭りが近づいてきた。成人してから三年、毎年ドキドキしながら結局見送ってきたあの日がもうすぐやってくる。ところが、リーリャを祭りに誘ったのは、キースの友人であり、リーリャの工房の取引相手でもあるラティオだった――!?