まばたきで消えていく
藤宮若菜/東直子 1,760円
あらすじ
命の際の歌が胸を突く 残酷すぎるこの世だけれど、人間を知りたいと心から願っている。(東直子)
命の際の歌が胸を突く
残酷すぎるこの世だけれど、人間を知りたいと心から願っている。肝を据えて見つめ直す愛おしい日々。(東直子)
【5首】
寝ころんであなたと話す夢をみた 夏で畳で夕暮れだった
これは異性のための表情(待って)(もう行こうよ)(わたしたちでいたいよ)
生まれ変わったら台風になりたいねってそれからは溶ける氷をみてた
いつまでも少女でいてとコンタクトレンズを踏みつぶすような祈り
煙草入り缶チューハイが倒れてる ふたりはふつうに暮らしましたでした
【目次】
I
そのみずうみに浮かぶものたち
夏が終わったら起こしてね
ハローワールド
だってきみは猫舌だった
II
八月三十二日
ふかづめ
セブンスター、あるいは永久歯
ひかる積乱雲
III
Splitting of the Breast
しゃんぐりら
三月の双子素数
あおい火葬場
IV
さよならぼくのともだち
わんぱくランド
ヘヴンリー・ヘヴン
菜の花
V
天才じゃなくても好き
下北沢23時17分
Twin Reverb
解説 心の命綱としての短歌 東 直子
あとがき
【著者】
藤宮若菜
1995 年生まれ。2012年、福島遥の短歌に出会い本格的に作歌を始める。日本大学藝術学部卒業。
東直子