ドナドナ彼氏

購入した作品の読み方

あらすじ

徒歩2分の場所にあるウリセン・バーに行く。あの男の子がいた。私の心は柔らかくなる。今日も買ってしまうんだろうなぁ。もうこの時間ではロング料金しかない。お金で男を買うのは感情を絡めたくないからだ。もう面倒なことは嫌だった。ところがある日、「あの男の子」からメールが届いた。びっくりした。目をこすって何度も読み直した。これって告白メールってやつ???
 年がら年中、金欠と心の寂しさを抱えていた著者の元に舞い降りたドナ君。彼は、新宿二丁目でゲイのお客さんを相手にする「ウリセンバー」で働く男の子たちの1人で……。元風俗嬢のノンフィクション作家があけすけに生活の全てをさらけだした極私的エッセイ。

●酒井あゆみ(さかい・あゆみ)
福島県生まれ。元風俗嬢にして元AV女優という異色の経歴をもつ作家。父親がスーパー経営に失敗。莫大な負債をかかえ家庭崩壊。高校卒業後、キャバクラでバイトをしていた時、知り合った男にファッションヘルスの店を紹介される。それをきっかけに「風俗のフルコース」と愛人業、AV女優、銀座ホステスなどを経験。20歳のときにヘルスに来た客と一緒に「AVプロダクション」を設立。AV女優をしながら社長業務をする。デビュー作『東京夜の駆け込み寺』を上梓後、TBSの深夜番組『Tokyo 夜の駆け込み寺』のMCとして出演。小泉今日子が主演した『風花』の映画監修、江角マキコ主演のTBSドラマ『独身生活』、フランスで上映した吉本多香美主演の『TOKYO NOIR』の原案・監修、『アキハバラ@DEEP2.0』ではアシスタントプロデューサーを務めるなど、映像業界でも活躍する。風俗業界と売る女たちを机上の知識ではなく、痛みを伴う性と生の経験から描き出す文章は人の心を打ち、著書は20冊以上に及ぶ。