フラジャイル・コンセプト

購入した作品の読み方

あらすじ

建築家・青木淳は、東日本大震災以降、なにを考えてきたのか?

「原っぱ(=人々が行動することによって楽しさを発見する空間)」と「遊園地(=人々の楽しみ方があらかじめ与えられている空間)」というコンセプトを提唱し、「原っぱ」のような建築をつくることを試みてきた青木淳さん。その青木さんの10年ぶり、3冊目の単著となります。
2011年の東日本大震災以降に紡がれた言葉を中心に編まれ、青木さんの建築への取り組み方の変化、息遣い、さらに今後の展望が描かれた一冊です。逡巡もあり、決意表明もあり、書き下ろしのイラストもあり、また、建築を学ぶ若い方々へのエールもあり、の盛りだくさんの内容になっています。


・ 「フラジャイル・コンセプト」とは?
「コンセプト」とは、一般的には、作品・プロジェクト全体を導き出す核のようなものをさすが、実際の創造行為の始まりにおいては、もっとあやふやなものである。先が見えないなか、試し試し進むうちに暫定的に発見され、さらに進むうちに、また別のものが発見され、結局できあがったときに、事後的に発見されるものが「コンセプト」の本質とはいえないだろうか。という意味で、「フラジャイル・コンセプト」とは、コンセプトというものが本来的にあやふやなのではないか、という問題提起を含んでいる。


・内容紹介
第1部 表現でないこと
第2部 東日本大震災
第3部 具象と抽象を行き来しながら
第4部 日常の風景
第5部 建築を見ながら、考えたこと――『新建築』二〇一五年月評
第6部 建築をバラバラなモノとコトに向かって開くこと