旅する文筆家!まきむぅと巡る世界の英語 シングリッシュ、ダングリッシュにジャパングリッシュ――地球にはたくさんの英語があった!

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あらすじ

英語にコンプレックスがあった。でも英語を学んだから、世界中のいろいろな人たちに出会えた。そして、「英語は1つではない」と知った。――米軍基地の街に育ちながら「ネイティブ英語」に違和感を持っていた著者が、世界12カ国100都市以上を旅する中で多様な人々や言葉と出会っていく様子を描いたエッセイ。シングリッシュ、マオリ英語、ピジン英語など、各地で独特な英語の歴史や表現、オランダ語やフランス語などの他言語と英語との関係も紹介。旅行気分を味わえる写真付き。



おまえの英語は恥ずかしいぞ、という脅しに囲まれて、「英会話フレーズ集」をめくる。

そこに、運命の言葉があった。

It’s all Greek to me.

「そんなの、全部ギリシャ語だ」っていう表現が、英語では「まったく訳がわからない」という意味になるらしい。

それなら、ギリシャ語ができれば、私の英語は笑われなくなるのかな?ギリシャ語さえできれば、苦しまなくて済むのかな?

(本書より引用)



Where are you from?と聞かれて、あなたはなんと答えてきただろうか。

I'm from Japan.と答えるように、私は教育された。日本の公立中学校で。

大人になって、海外に出て、I'm from Japan.と何百回、答えただろうか。

何百何回目だったかは、わからない。けれど、何百何回目かの出会いが、確かに、私を変えてくれた。

Where are you from?

この質問に、教科書フレーズではなく、自分自身の言葉で答えられるようにしてくれた。

(本書より引用)



・本書は語学情報Webメディア「ENGLISH JOURNAL ONLINE」(https://ej.alc.co.jp/)に掲載されたものを再構成し、新たな内容を加えて電子書籍としてまとめたものです。


■目次

はじめに

【第1章:シンガポールのシングリッシュ】OK了!が吹き飛ばしてくれた英語コンプレックス

【第2章:ギリシャのグリークリッシュ】It's all Greek to me.の意味は?「死神」という名の男の子との出会い

【第3章:ニュージーランドのマオリ英語】Where are you from?にどう返事する?

【第4章:オランダのダングリッシュ】「言葉同士がfalse friends」ってどんな意味?

【第5章:上海のピジン英語とチングリッシュ】英語を学ぶ動機が「海外に行きたいから」というのは本当か?

【第6章:フランスの英語】英語を学ぶときの葛藤の正体は?フランス人が教えてくれたこと

【第7章:スコットランドのゲール語、スコットランド語】「アイアイサー!」の「アイ」の意味は?エディンバラでグルメ旅

【第8章:ロサンゼルスのメキシコスペイン語】英語の通じないレストランがあるアメリカで未知の言葉を食べる

【第9章:アメリカ先住民諸語】Apache tearsって何?「ミリ妻」の涙の話

【第10章:ニュージーランド英語とドイツ語】「ニュージーランドに来る女性はKiwi husband狙い」って言われた

【第11章:ジャパングリッシュ、横浜ピジン語、クレオール】学校で英語を片仮名発音しないと笑われた

【第12章:日本のパングリッシュとニューオーリンズのダット・トーク】生きていくための英語とジャズを追い掛けて

おわりに



【対象レベル】英語全レベル

【著者プロフィール】

牧村 朝子(まきむら あさこ):

文筆家。著書『百合のリアル』(星海社新書、小学館より増補版、時報出版より台湾版刊行)、出演『ハートネットTV』(NHK-Eテレ)ほか。2012年渡仏、フランスやアメリカで取材を重ねる。2017年独立、現在は日本を拠点とし、執筆、メディア出演、講演を続けている。夢は「幸せそ