下級国民A
赤松利市(著者) 1,650円
あらすじ
住所不定、無職。マンガ喫茶で書き上げた作品が大藪春彦新人賞を受賞し、衝撃のデビューを果たした鬼才による初の随筆。東京で住所不定に陥るまでの被災地での経験を書く。
美しい国? 日本が? ―― この話、すべて真実。
石巻で、南相馬で福島で。
土木作業員の、除染作業員の、無数の「A」の、憎悪が渦巻く。
2020年度大藪春彦賞受賞作家、初の随筆。
バブル期は125名の社員を抱え、2400万円の年収があった「私」は、会社を破綻させたのち、兵庫県でコンサルティング業を営んでいた。 仕事は先細り、不安を覚えていた矢先、小さな土木会社を営む社長から、東北に仕事を探しにいってくれないかと持ち掛けられる。 東日本大震災が起きてから約半年。男性週刊誌に「狂乱の復興バブル」などという見出しが踊る時期だった。 月給40万、仕事が軌道に乗り儲けが出れば、それはきれいに折半しよう。 悪くない条件に乗って、私は仙台に入る。 しかし、女川町で最初の仕事を得たあたりから、雲行きが怪しくなる。 あくまで営業部長として東北に入った「私」まで、作業員の頭数として現場に出ることになったのだ。 そこには想像を絶する醜悪な現実があった。 住所不定、無職。 大藪春彦新人賞でデビューし、2020年に大藪春彦賞を受賞した注目の鬼才が書く初の随筆。
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