心という臓器
雪直 440円
あらすじ
人なる宿命を生きるあなたに 一服の詩を届けます
「過去の嘶き」
明日とは根拠なき希望
目覚めればたちまち今日となり
生きれば生きるほど過去の頂に立たねばならない
時に滑落し
謝罪も償いも届かない あの日が蘇る
なぜつらい記憶ほど心を突き破り
何度も芽吹くの
今日という日を
また苛まれながら生きるのなら
人生の喜びはどこにあるの
日々の隊列に割り込んでくる
この陰鬱な訪問者は
他ならない自分自身
その口元が偶蹄類のように
畏怖を反芻しながら
性懲りもなく
自分を哀れんで啼くのよ