攻防から読み解く 「土」と「石垣」の城郭
購入した作品の読み方あらすじ
戦国期から江戸初期にかけて、全国各地で造られた数千とも数万ともいわれる城。
地形的制約と闘いながら知恵を絞って編み出された土塁や空堀、虎口、土橋、石垣。
生き馬の目を抜く戦国時代において磨かれた築城技術は、それぞれの地域や武家によって、また、その城の持つ目的によっても異なっていた。
その城をいかに守ろうとしたのか、攻めるならどこが弱点か。各城の軍事施設としての構造的特徴を読み解くことで、それらが浮かび上がってくる。
《巻頭対談》西股総生(戦国史・城郭研究家)×乃至政彦(歴史研究家)
■第一章 「土」と「石垣」の城の基礎知識
■第二章 実戦分析から見えてくる堅い城・脆い城
小谷城・長谷堂城/「落城したか否か」の史実のみでは その城の真の実力は見抜けない?
七尾城・月山富田城・吉田郡山城/山全体が要塞と化した巨城の 城内に施された二重三重の仕掛け
二俣城・長篠城/急流に守られた崖の上の二城 その運命の分岐点を再検証する
備中高松城・忍城/土木技術と動員力を活かした城攻め 水攻めの成否を分けた要因とは?
高天神城/湿地帯にそびえる急峻な山崖の 弱点を克服する武田流築城術とは?
■第三章 名城もし戦わば......その強さを徹底検証
安土城/「見せる」たけの城ではなかった 天下人・信長の最高傑作の実力は?
竹田城/雲海に浮かぶ天空の高石垣は 実戦では有効だったのか?
岩殿城/忍者でもよじ登るのは不可能! 150メートルの断崖はまさに鉄壁
高松城/日本初といわれる本格的海城 海からの攻撃は想定外だった
丸亀城/日本一の高石垣だけではない 搦手も城内も含めた鉄壁の防御
名護屋城/天下人の総動員で築いた巨城で もし朝鮮出兵の撤退戦があったら
■第四章 セオリーに反するナゾだらけのレア城
城井谷城/「表門」も「裏門」も鉄壁の守り こじ開けるのは至難の谷の城
埴原城/全国の山城でも稀に見る奇妙な構造 竪堀と組み合わせられた謎の凹凸
岩倉城/本丸は必ずしも頂上にはなかった 特殊な地理的条件での築城術
都於郡城/全国でも屈指の大堀切と高土塁 広大な城が生まれた地質的背景とは