石を抱いた樹(下)

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あらすじ

ガンに倒れた妻の見舞に明け暮れ、学園の醜い内部抗争に悩む、名門学園の理事長・布施英之の前に、くちなしの花のような雰囲気の漂う光子が、問題生徒の姉として出現した。妻が死んで、別府の障害児施設で健気に働く息子を訪ねた英之は、新しい人生を夢見るのだが……。根なし草に似た現代人の孤独を、哀調豊かに描く感動の名作。人間の抱え持つ奥深い悪を描いた、水上文学の魅力の源泉を明かす長編小説。