忍法鞘飛脚

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あらすじ

私はインテリ忍者だ。忍法など信じないし、全然知らない。本業は医者である。にもかかわらず、忍者と自称するのは、迷惑なことに私が忍者の一族に籍を置く人間だからだ。ある日、一族の長老に呼ばれた私は、とんでもない命令を受けた。公儀隠密として志摩まで行けというのだ。忍者の掟は厳しい。嫌々私は命令に従った。だが、私の不吉な予感は当たり、私は眼と耳と舌と四肢を失う羽目になったのである……。忍者とは名ばかりの男が辿る皮肉な運命をコミカルに描いた傑作忍法帖。