謎と起源の秘密 最新・彗星学
購入した作品の読み方あらすじ
尾を引く不思議な姿で私たちを魅了する太陽系の旅人「彗星」。いったどんな天体で、どこからやってくるのでしょうか。古くは「わざわいの先触れ」として怖れられてきた彗星ですが、現代では太陽系が誕生した46億年前の記憶を保存した「化石」と考えられ、天文学の分野のひとつとして研究が進められいます。太陽系の果てにある彗星のふるさとや、原始地球に彗星がもたらした影響など、地上の望遠鏡や宇宙探査機による観測結果から見えてきた最新の彗星像を天文学者が語ります。【読了時間 約30分】
【目次】
■彗星の起源 解説・渡部潤一
彗星の軌道からふたつの故郷が示された
彗星は原始太陽系星雲の化石である
■彗星核の謎 解説・渡部潤一
彗星核=「汚れた雪だるま」の描像は正しいか?
彗星核の素顔が見えてきた
彗星核の構造、そして運命の謎に迫る
■彗星の尾に迫る 解説・渡部潤一
プラズマ・テイルの乱れから、磁力線や太陽風のようすがわかる
「ダストの尾」と 第三の尾「ナトリウムの尾」
■彗星と生命 解説・阿部新助
原始地球には無数の彗星が降り注いだ
彗星核には有機物が閉じ込められている
【著者プロフィール】
○渡部潤一
国立天文台副台長。教授。総合研究大学院大学数物科学研究科天文科学専攻教授。
太陽系の中の小さな天体(彗星、小惑星、流星など)の観測的研究。
特に彗星を中心に太陽系構造の進化に迫る。天文学の広報普及活動にも尽力。
○阿部新助
日本大学理工学部・航空宇宙学科准教授 。
流星・隕石,彗星,小惑星などの太陽系小天体が研究対象。国立天文台(総研大)で「流星と流星痕の分光学」のテーマで博士号を取得。