予感の帝国 風間サチコ作品集

購入した作品の読み方

あらすじ

電子版特典 収録作品6点カラー化!

“祝福することのできない者は、呪詛することを学ぶべきだ! "
――フリードリヒ・ニーチェ

戦争への動員、成長ドリーム、国土の乱開発、ネット相互監視、核と原発の爆発……。
「終わった」と思っていた近現代のディストピアはいつだって滑稽に未来によみがえる。
黒と白の木版画にその暗黒の「予感」を鮮やかに刻み続けてきた美術家・風間サチコ初の作品集。

版画でありながら1点しか刷らず、冴えわたる技巧でユーモアと批評性を同じ俎上に乗せる。
2018年に「原爆の図丸木美術館」にて公開した超大型の最新作《ディスリンピック2680》をはじめ、
画業20年の主要作品を網羅!

風間自身による作品解説や、新たな創作の一歩となる書き下ろし漫画も特別に収録。
海外でも高まる注目を受けて解説文などはすべて日英バイリンガル表記。
巻末論考は視覚社会史研究者の足立元氏が執筆。

「風間の闘争は、無理解や批判も伴うだろう、危険な賭けである。その危険に突き進むよう命じるのは、
愛そのものではなかろうか。風間の作品をまとめた本書は、新しいかたちの、革命の版画集であると同時に
愛の版画集だ」――足立元(本書論考より)

目次:
第一章:黎明が落日を約束する予感の帝国
第二章:ぼんやりとした反目が住まう。籠城に相応しいトーチカ
――石上20余年(私のスローガンライフ)
第三章:コロニアル風のバルコニーに降臨。幸福のひな型
第四章:ダイナマイトとブルドーザーが創る泡沫のまほろば
――漫画「ディスリンピック2680」
――論考:足立元「野獣性なる人間的なる愛の版画集──風間サチコによせて」