基礎分子遺伝学・ゲノム科学

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あらすじ

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本書は、遺伝子研究の成果を、分子遺伝学の基礎からゲノム科学の応用まで、一貫した視点で解説した教科書である。これらの研究全体の蓄積は膨大なため、多くの大学カリキュラムではいくつもの科目に分割されている。
この分割が避けがたい原因には、地味でウェットな大腸菌の遺伝学と派手でドライなヒトゲノム学との毛色の違いという問題もあり、両者の滑らかな接続はかなり困難な課題である。しかし、ほかにも多くの科目を同時に学ぶ必要のある今どきの学生や、知的好奇心は旺盛ながら忙しい現代人には、この課題を克服した教材が必要であろう。
そこで本書では、遺伝子研究の基礎から展開までシームレスにまとめるため、下記の3つの工夫をし、理解の助けとした。

◆本書の特徴◆

1)第I部 基礎編と第II部 応用編を密な相互参照で結びつける。
前半と後半で関連する箇所を相互に結びやすいよう、多数の参照をカッコで示した。そもそも基礎から応用までを一冊に収め、単著で一貫させたことも、滑らかな接続に寄与。

2)多数の「側注」で術語の意味・由来・変遷などを解説する。
歴史的事情から、遺伝学には多義的な学術用語も少なくない。また、生命科学の他領域との関連も深く、脇道にそれてでも解説すべき用語が多い。それらを「側注」の形にまとめ、本文の流れはスムースに保った。

3)多彩な図表とイラストで視覚的な理解を助ける。
DNA分子は小さく、遺伝子概念は抽象的なため、初学者にはわかりにくい落とし穴も多い。多彩で統一のとれた図表と、イラストや写真を多用し、その問題点の克服に努めた。