鬼平犯科帳[決定版](二十三) 特別長篇 炎の色
池波正太郎 750円
あらすじ
江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。
火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。
中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきた作品で、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。
2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版で順次、刊行。
第23巻は、平蔵の身辺に大きな変化あり。謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子が出現。平蔵は、腹違いの妹・お園のためにひと肌脱ぐ(「隠し子」)。夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる。「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」。先代の助太郎親分を思い出し、おまさの心が騒ぐ(特別長篇「炎の色」)。二人の隠し子登場で、新たなる物語が始まる。