高丘親王航海記

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あらすじ

澁澤龍彦没後30年。遺作となった伝説の傑作幻想小説が、いま新たな装いで!

平城天皇の皇子に生まれ、嵯峨天皇即位すると皇太子に立てられるも、父上皇と天皇との諍い(薬子の変)により廃された高丘親王。出家し弘法大師の直弟子となった親王は、東大寺大仏の再建に尽力するなど重要な働きを果たすが、晩年に至り朝廷に入唐求法の願いを出し、唐へ渡った。

親王の真の願いは、幼き日に父帝の寵姫藤原薬子に教えられ、憧れていた天竺を訪れることだった。
貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路、天竺へ向かった。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王はやがて旅に病み、その心に去来したものとは……。

無類の面白さと、静かなる気品に満ちた傑作幻想小説。著者の死後に読売文学賞が与えられた。
高橋克彦さんの傑作解説も再収録!