結婚のヒント
片岡義男 275円
あらすじ
ヒントに近づくのか、遠ざかるのか
結婚をめぐる座談会が複数行なわれ、それらを収録した書籍が作られようとしている。担当者は独身の女性だ。この小説は二部構成になっていて、一部は全員が独身男性の座談会。二部は全員が男性作家の座談会だ。女性との付き合い、友人知人のエピソードなどを持ち出し、結婚、というものについて彼らは縦横に議論を交わす。一部も二部もたいへん饒舌である。この饒舌は虚無か? 必ずしもそうとは言えないが語るのが全員が男性であり、構成者だけが女性というところにもしかすると作家のシニシズムがあるのかもしれない。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/