楽園よりも不思議
片岡義男 275円
あらすじ
やっと楽園、とは少し別のもの
2組の男女のカップルが、映画館で映画を観ていた。
4人は友人でもあり、偶然、同じ映画を見ていたことを喜びながら、その後の行動を共にする。
コーヒーを飲んで映画について理屈っぽく語り合い
プールに泳ぎに行ったり、空腹になれば焼きそばを作って食べたり。
家にたどり着けば、奔放な行いもあったりする。
それは反抗でも刹那主義でも堕落でもなく、
やっと手に入れた楽園でもなければ、さりとて日常でもない「何か」だ。
ちなみにここで登場する映画は、タイトルで端的に示されているように、
そう、あの映画である。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/