あの雲を追跡する
片岡義男 275円
あらすじ
「入ってきて」と彼女は言った
『夏と少年の短篇』(ハヤカワ文庫)所収の1篇。
18歳の少年にとっての、もっとも鮮やかな瞬間を切り取っている。
最初は、バッタリと道で遭い、そのままプールへ。
2度目は、ちゃんと約束をして海岸へ。
少年と少女の輝かしい季節のエピソード。
プールでは、まるでそれが自分のものであるかのように
少女は少年に向かって何度も(プールへ)「ねえ、入ってきて」と言う。
そして海岸では、少女が一度やってみたかったという夢を、あっさり実現させる。
完璧な夏は、この小説の中にある。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/