鬼平犯科帳[決定版](十一)
池波正太郎 799円
あらすじ
江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。
火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。
中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきた作品で、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。
2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版で順次、刊行。
うまそうな食べ物が脇役となっている作品が印象的な第11巻。収録されているのは以下の七編。
ひょうきんな性格が誰からも愛される与力・木村忠吾が誘拐された。『男色一本饂飩』
江戸の場末にある、驚くほど安くて、うまい飯屋に、なぜか平蔵は通いつめる。『土蜘蛛の金五郎』
商家の金蔵から消えた三百両が、そっくり返ってきた。情熱を描いた『穴』
火付盗賊改目方の会計をつとめる同心を襲った悲劇。『泣き味噌屋』
「こんや、九ツはん、・・・・・・」。平蔵の役宅へ届いた手紙に隠された情。『密告』
浅草寺の境内でスリを捕らえた平蔵。掏り盗った包みから思いがけぬものが。『毒』
久方ぶりに再会した父と子。だが息子は盗みの水をたっぷりとのんでいた。『雨隠れの鶴吉』