銀行はこれからどうなるのか
あらすじ
本書は、世界的な低金利やフィンテック(金融テクノロジー)の波にさらされる銀行の未来を、気鋭のアナリストが予測するのが趣旨である。
個人的にもビジネスでも、われわれにとってこれまでつながりの深かった銀行。
「規制業種で競争がない」といったイメージも根強いが、マイナス金利その他の変化に加え、次に示す「5つの困難」に直面。
実は日本の銀行はいま、かつてないほど追い込まれているのだ。
(1)貸出先や運用先がない
(2)預金の魅力がない
(3)異業種との競争環境激化
(4)規制の複雑化とその管理の難しさ
(5)大きすぎて変われない
フィンテック専門家である著者の予測では、9割の地銀が再編の波に飲まれ、メガバンクも大激変は不可避だという。
金利に差がつかず、預金の魅力が薄くなったことで、ある銀行は打つ手なく預金を流出させていく。
その一方で、ある銀行はフィンテックや提携により口座の使い勝手をよくして預金をつなぎとめる。
このように、「どこに預けても同じ」という時代は終わりを告げる。
まさにテクノロジーが「口座格差」を広げ、異業種も含めて、われわれの預金を巡る「大戦争」が始まろうとしているのだ。
たとえば、最近の金融関連のニュースで次のようなものがあった。
・三菱東京UFJ銀行が仮想通貨「MUFGコイン」の発行を計画
・三井住友とりそなが、系列の関西3地銀を経営統合
・アップルがApple Pay、LINEがLINE Payを導入
・米国スターバックスのポイント会員が1200万人を突破
これらの一見バラバラなニュースは、本書で提示する「未来の銀行の4つの姿」を通じて、大きな流れのもとに読み解ける。
フィンテックで銀行が激変せざるを得ない時代。
エレクトロニクスやテクノロジーに精通する著者が鋭く予測する「銀行の未来」に、ぜひ触れてほしい。
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