海を呼びもどす
片岡義男 275円
あらすじ
説明しすぎることは「説明的」であることをはるかに凌駕する
この長篇小説には、著者によるまえがきがある。
そのまえがきを読むことによって
たちどころに読んでみたくなったとしたら、
おそらくそれは幸福な時間をもたらしてくれるに違いない。
2017年の現在からはあまりに遠い、しかし
ある程度の年齢であれば、覚えがないでもない、その振舞い方。言葉の使い方。
大学生である、ということの意味は今とはちがうかもしれず
しかしこの小説に充満する理屈っぽさには、
おそらくある種のいさぎよさが同時に備わっているはずだ。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/