その日はじめてのコーヒー[1988 version]
片岡義男 275円
あらすじ
女たちの中に男が1人、そして締まりのないレッスン
この短篇小説においては
主人公の男以外の登場人物はことごとく女性である。
母親。2人の姉。親しく交際している女性。
そして男が実家に帰ってみると、
家族ではないが過去に会ったことのある女性もそこにいて
なにやらそうした環境の中で甘やかされているような
決定的なセリフをただ先延ばしにしているような
あいまいな日々が続いていく。
少しばかりの苦味をもたらしてくれるものは
もはやコーヒーくらいのものである。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/