鬼平犯科帳[決定版](七)
池波正太郎 799円
あらすじ
江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。
火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。
中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきたが、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。
2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版で順次、刊行。
第7巻に収録されているのは以下の七作品。
かつては知られた盗賊の寂しい末路が描かれる「雨乞い庄右衛門」
女あそびの好きな、平蔵の長男、辰蔵の助平心が事件につながる「隠居金七百両」
女だまし専門の引きこみが狙った店の、隠された事情が明かされる「はさみ撃ち」
ひとりばたらきの女賊おけいの手腕に驚かされる「掻掘のおけい」
すさんだ生活を送っていた若き日の因縁が、火盗改メ長官となった平蔵と結びついた「泥鰌の和助始末」(「アニメ鬼平」第9、10話原作)
役目を離れ、老武士の悲願を助ける平蔵。人生の哀歓を描き出す「寒月六間堀」
かたくなに「盗人の掟三カ条」を守る男たちが意地をみせる「盗賊婚礼」
解説:中島梓