マッチ売りの少女/赤い鳥の居る風景

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あらすじ

この2作で岸田戯曲賞を受賞した作者の初期戯曲の傑作、かつ、戦後演劇作品の金字塔

『マッチ売りの少女』/初老の夫婦の夜ごとのお茶会に、市役所から一人の女がやってくる。女は昔、七つの時、マッチを売っていた、マッチを売って、自分のスカートの中を覗かせていたと話し出す。そして、それを教えたのは、あなたではないか、あなた達は私の両親なのではないかと言う。
『赤い鳥の居る風景』/自殺した両親とその死因を探る委員会。残された盲の女と弟は、両親が旅行者から借りていた借金を返すことになる。親類や町の人々は奇妙な優しさで女と弟を取り巻くが、静かな生活は、奇妙に歪み、壊れていく。

【著者】
別役実
1937年、旧満州に生まれる。早稲田大学政経学部では、学生劇団「自由舞台」に参加。カフカ、ベケットらの影響を受け、62年被爆者の姿を不条理劇風に描いた戯曲「象」で注目を集める。大学中退後、東京土建一般労組に勤務するかたわら戯曲執筆。66年 劇団早稲田小劇場を結成、67年「マッチ売りの少女」と「赤い鳥の居る風景」で第13回岸田戯曲賞を受賞。68年、労組を退職。70年「不思議の国のアリス」「街と飛行船」他の脚本で紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。童話、エッセイ、評論など多彩な著作でも知られる。