東京が震えた日 二・二六事件、東京大空襲―昭和史の大河を往く〈第4集〉
保阪 正康 880円
あらすじ
動乱の時代を告げる一発の銃声、終幕に降り注ぐ数千トンの焼夷弾。
かたちを変え現在も残る「歴史の現場」に立ち、事件の背景・本質に迫る迫真のドキュメント。
<目次>
帝都を震撼させた二・二六事件
高橋是清惨殺の「現場」を目にして
二・二六事件は“義挙”ではなく“派閥抗争”に過ぎない
終始、鎮圧を主張した石原莞爾の動き
昭和天皇と“股肱の臣”鈴木貫太郎夫妻の紐帯
決起青年将校の巻きぞえになった下級兵士の苦悩
秩父宮は二・二六事件の黒幕に非ず
東京に戒厳令が布かれた日
“皇軍相撃”寸前、新統制派の暗躍
決起部隊を一転、鎮圧軍に──近衛師団の不可解な動き
処刑前の将校たち──安藤輝三は「秩父宮殿下萬歳」と叫んだのか
決起将校は銃殺され、参加兵士は生きて帰れぬ戦場へ
天誅名簿に名が記されていない男──東條英機
吉田松陰とともに回向院に眠る磯部浅一
二・二六事件とは何だったのか
東京が目撃した昭和という時代
浅沼稲次郎刺殺事件──交錯する二人の視線
シンガポール陥落、熱狂した日本人──誤解された山下奉文
“熱狂”から“追悼”へ──日比谷公会堂での戦没者追悼式
日比谷公園を設計した男──本多静六の人生
日比谷松本楼と孫文──中国革命を支援した日本人たち
反政府運動の現場となった日比谷公園
東京空襲の被害を想定していなかった軍事指導者
東京大空襲、あの戦争が人災であることを忘れるな
東京大空襲の総指揮官に、勲章を授与した日本政府
東京大空襲後、終戦の道を模索し始めた昭和天皇
原爆投下は「しょうがない」のか。史実を踏まえぬ久間発言
民間が運営する空襲を伝える施設を目にして
東京大空襲後も本土決戦を呼号した指導者の感性
あとがきに代えて──歴史に刻まれた“東京が震えた日”