絵画の準備を!

購入した作品の読み方

あらすじ

セザンヌの描く人物の不思議さが、こんなにも生き生きと語られたことがあっただろうか?
画家にとって上手い/下手とは?
モダニズムがなぜ今要請されるのか?
カントの命題を映画『マン・オン・ザ・ムーン』に重ね合わせ、ベンヤミンの思想を召喚して日本国憲法を論じる。
マティス、デュシャン、ポロック、美術と世界、法と暴力……、稀有にして奔放、不羈にしてスリリングな対話は、浅田彰氏をして「この本を読まずしていま作品を制作し鑑賞することができると思う者は、よほどの天才でなければサルである」と言わしめた。
二〇〇二年セゾンアートプログラムから刊行され、大きな話題となった旧版はすでに絶版。
今回、新規の対談五万字を第九章として増補した。
新たに加えられた脚注は五百を数え、掲載図版は三百点に上る。
全面的に著者の校閲を経た決定版。岡崎乾二郎装幀。
[本書を推薦します]
■浅田彰氏■
ルネサンスから現代、西洋美術から日本美術に至る広い範囲にわたって、たえず具体的な作品に即して展開されるので、読者はつねに新鮮な発見に満ちた議論を追いながら、自ずと凡百の美術書をどれだけ読んでも得られぬ知見を得ることができるだろう。
■いとうせいこう氏■
語られるべきすべての絵画の、言語形式での完全アーカイブ。
このテキスト群はまるで百科全書のように一生涯参照可能だ。
■島田雅彦氏■
芸術の歴史に深く思いを馳せながら、最初の原則に立ち戻るために言葉の限りを尽くしている。