ビールの飲みかた
片岡義男 275円
あらすじ
秋のはじまり三角形は、風に漂って海と戯れる
男が2人に女が1人。三角形だが三角関係ではない、というカタチが
片岡義男の小説世界にはごく自然な姿としてあらわれる。
(しかしそのことを繰り返し書く、ということがはたして
「自然」なことかどうかは一考に価する)
もう秋が始まっていて、あたりには夏の名残が目に付いて
よるべない空気が三角形を吹き流す。
いちばん心地いいのは風であり、飲みたいのはビール。
この小説にビールは実は出てこない。
いや、これから飲みたいね、というカタチで出てくる旨いビールなのだ。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/