北斗 ある殺人者の回心
購入した作品の読み方あらすじ
【第8回中央公論文芸賞受賞作】両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め――。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。
レビュー・口コミ(1件) 一覧へ
虐待のシーンが苦しくて、何度も途中で読めなくなって、読了までかなり時間のかかった作品でした。
愛を知らなかった少年が初めて知った、優しさと安らぎ。
それが壊された時に加速していく想い。
切なくて、苦しくて、本当に悲しい。
人は人によってのみ、人となる。
そんなことを強く感じた一冊でした。5点