原色の蛾

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あらすじ

風雨吹き荒ぶ深夜、野上広に替わって妻が無免許運転をしていると、突然視界を塞ぐように赤と黄の蛾が舞い上がり、バンパーが何物かをはねた。気が付くと、若い女がうつ伏せに倒れている。夫婦は逃げ出した。一週間後、上田と名乗る男から脅迫電話があり、五十万円を要求された野上は支払うしがなかった。さらに一カ月後、再び野上家の電話が鳴った――。傑作中篇集。《幻の初期作品「炎の記憶」を初収録》