一万年の進化爆発

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あらすじ

人類の生物学的進化は4~5万年前に終わったという従来の学説を否定して、1万年ほど前から人類の進化が加速していると論じた本。最近の分子生物学のめざましい成果に基づいて、人類の進化の新しいイメージが語られる。

1万年ほど前に始まった農耕によって、大きな変化が起きた。人間はそれまでと違う食べ物を食べるようになり、新しい病気にさらされ、集団生活のしかたが変わり、人口が増大した。このような文化的な変化がヒトに自然選択の選択圧を加え、ヒトの心と体を遺伝的・生物学的にも変化させた。そうした遺伝的変化が今度は文化や歴史に重大な影響を及ぼした。人類史とは、生物学的変化と文化的変化がからまりあった、終わりなき舞踏のようなものである。著者らが「遺伝歴史学」と呼ぶアプローチに基づいて、次のような人類史の謎を解き明かす。

・旧石器時代後期、現生人類に「創造性の爆発」と呼ばれる大きな変化が起こったのはなぜか?
・ネアンデルタール人との交配は、現生人類に何をもたらしたか?
・農耕はヒトをどのように生物学的に変化させたか?
・インド=ヨーロッパ語族が世界に広まったのはなぜか?
・エルナン・コルテス率いる数百人のスペイン軍が人口数百万人のアステカ帝国を打ち破ったのはなぜか?
・ヨーロッパ系ユダヤ人に傑出した学者が多いのはなぜか?

このような問題に生物学的な面から答えを出し、人類の歴史に新しい観点から光をあてる。