エキストラバージンの嘘と真実

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あらすじ

オリーブオイルの最高グレードである「エキストラバージン」の名が冠されていながら、中身は精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いで発覚。安い偽装オリーブオイルの市場流入は、消費者を欺くだけでなく、市場価格の下落を引き起こし、高品質なオリーブオイルを生産する事業者は存続が危ぶまれる状況に陥っています。偽装オイルが横行する背景には、EUの農業保護政策の弊害、食品の品質を監督する政府と業界の癒着、マフィアの暗躍、植物油の精製加工技術の進歩、弱腰の食品行政など、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。さらに、エキストラバージン・オリーブオイルの味に対する誤解も大きな問題です。本物のエキストラバージンオイルからは「オリーブの果実風味」「苦み」「辛み」の3つが感じられますが、「苦み」や「辛み」を「質の悪さ」と勘違いしてとらえている消費者がたくさんいます。それどころか、イタリアンの一流シェフでさえも本物のエキストラバージンオイルの味を理解していない人が少なくありません。本書では、エキストラバージン・オリーブオイルが置かれている危機的な状況がなぜ起きているのか、歴史、文化、宗教、政治などから多面的に紐解き、丁寧に解き明かします。