ソフトウェアテスト293の鉄則

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あらすじ

ときおり現れるソフトウェアの不具合は、我々にテストの重要性を改めて教えてくれる。しかし、そのテストは本当に意味のあるものなのだろうか。近年は専門のテストチームを持つ会社も増えてきたが、開発者がテスターを兼ねることの多い日本では、まだまだテストそのものを充分に掘り下げ、それぞれのケースにおけるベストプラクティスを見つけようと試みる機会が少ない気がしてならない。アーキテクチャの進化や開発サイクルの変化に対応し、柔軟かつ効果的にテスト方法を見直すのがベストなのだが、COBOL時代からの方法をそのまま使い続ける会社も決して少なくはないのが実際である。
 本書にはタイトル通り293の「鉄則」が収められている。11章からなるが、章立ては読者に読む順番を強制するものではなく、むしろ重みのバラバラな「鉄則」をテーマごとに大きく括っている。決して通読が必須の本ではないし、ましてや「この本に沿って作業を進めれば君も一人前のテスト技術者だ」といったハウツーものでは決してない。一つひとつの「鉄則」を自分の関わったプロジェクトに当てはめ、自分の取ろうとしている手段が本当に正しいかどうかを顧みるきっかけとなる。
 ソフトウェア開発やテストの経験が少ない人にはピンとこないかもしれない。しかし、ソフトウェアテストに意欲的に関わろうとしている人にとっては、入門書的だった『基本から学ぶソフトウェアテスト』から一歩進んで多くのヒントを得ることができる1冊だ。