潮鳴り

購入した作品の読み方

あらすじ

生きることが、それがしの覚悟でござる――。俊英と謳われた豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞう)と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固める……。落ちた花を再び咲かすことはできるのか? 『蜩ノ記』(ひぐらしのき)の感動から二年。〈再起〉を描く、羽根藩シリーズ第2弾!

レビュー・口コミ(1件) 一覧へ

  • 葉室麟の作品は、いつも清々しい。この作品は「一度落ちた花は二度と咲かない。その花を咲かせる」というテーマです。作者の最高傑作とはいきませんが、心に染みる読後感があります。

    ...もっと見る
    4点
    ヒロリンさん